イントロダクション

生まれながらの全盲者が映画をつくるプロセスを追うドキュメンタリー映画、『ナイトクルージング』。
視覚がなく、光すら感じたことのない主人公が、映画製作におけるさまざまな過程を通して、顔や色の概念、2Dで表現することなどに改めて向き合い、世界を捉え直していく。
本編には主人公の監督した短編映画も収録される。それは、未来の宇宙の小惑星を舞台にした、生まれながらに全盲の男と仲間によるSFアクション映画。
製作を通して明らかになるのは、一人ひとりの幻影(ゴースト)でつくられた世界のありようと、フィクションの中に現れる「ゴースト」と呼ばれる存在。
ドキュメントとフィクション、二つの世界に漂う“ゴースト”を、捕らえることはできるのか。

色の専門家の研究室で立体模型を触りながらレクチャーを受ける加藤
色の存在は認識しているが、概念的にしか理解していない主人公・加藤。しかし映画の中では、登場人物の服の色や空の色などを表したいという。色の役割や原理を教わるうちに、話題は色の正体へ。
女性のアンドロイドの顔を触る加藤
加藤は自分の表情すら見たことがない。しかし映画の登場人物には表情を与える必要性を感じている。アンドロイドを触ることを通して、表情が移り変わるものであることや感情を伝える方法を学ぶ。
視覚障害者のための運転体験ツアーで車のハンドルを握る加藤
乗り物による移動は映画の重要なシーンとなるため、視覚障害者のための運転体験ツアーに参加する。加藤は運転する感覚をどう獲得していくのか。また、見えなくても車を運転したいのはなぜか。